春のお彼岸
春分の日を中心にした一週間が、春のお彼岸になります。
今年は3月17日(水)が彼岸の入りで、23日(火)が彼岸明けです。
春分の日は祝日法で「自然をたたえ、生物をいつくしむ」日とされています。
己の在る土地に感謝して、周りの生きとし生けるものに、慈悲の心で接していただけたら幸いです。
またこの一週間は、仏教の基本である「六波羅蜜(ろくはらみつ)」を意識的に実践する期間でもあります。
布施、持戒、忍辱(にんにく)、精進、禅定、智慧。これが六波羅蜜です。
ちょうど一日ごとに実践できるようになってますね。
ここでは簡単な表現でやり方を書いてみました。
まず初日は「布施」です。知らない誰かのためになることをして下さい。
道のゴミを拾ったり、物を買ったら、その製品が自分に届くまでに関わった全ての人達に感謝したり。
二日目は「自戒」です。殺さず、盗まず、嘘をつかず、酒を飲まず。
意識的にこれらの戒めを破ってる人は破らないでください。
しかし、車・自転車に乗るとどうしても虫などを殺してしまいますから、不殺生は守れません。
ですからこれらの戒めを口にして下さい。
三日目は「忍辱」です。何かを喋る時に一度飲みこんでそれが本当に必要か一考してから口にしませんか?
三年ほど前のスタッフブログで「口から出るのは災い」という当山の標語が紹介されています。
四日目。ここで昼と夜が同じ時間になりました。春分の日です。
大抵の人は富士山が好きです。今日は富士山が見えたら富士山に感謝しましょう。
亡くなったもの達に向けていた優しい気持ち眼差しを、周りのものへも向けてみましょう。
もし相手もこちらに返して来たら、そこは極楽かもしれません。
五日目は「精進」です。正しい努力をしましょう。
難しいですが歴史を調べればたくさんの教えがあります。
六日目は「禅定」です。
十分。いや五分。そんな余裕ない人でも一分ぐらいください。
スーハースーハーと深呼吸して「呼吸の音」に意識を向けたら、少しは静かな気持ちになれるはずです。
七日目、最終日は「智慧」です。これは難しいというか無理かもしれません。
これまでの五つをしっかり実践習得すれば、それがそのまま智慧なのですが。
仕様がないのでこれまでの復習をしましょうか。
ふとした瞬間に智慧に目覚めるかもしれません。
亡くなった子たちへの感謝と共にこのように過ごしていただけたら。そんなことを願います。
暑さ寒さも彼岸過ぎまでと言います。
どうぞご自愛くださいませ。
慈恵院 宗務部 勇堂
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