「不安と向き合う」
不安とはどこからやってくるのでしょうか。
外の出来事を不安の原因とする考え方もあるでしょう。
しかしながら、不安という感情の状態を作り出すのは自分自身です。
どうすれば不安を自分自身で解消できるのでしょうか。
うちは禅宗のお寺ですから、坐禅をしなさいと言います。
しかし言った坊主(私)が果たして不安を解消できているのでしょうか。
広い広い宇宙から見れば、私の不安などはちっぽけなものであるとも言えます。
大きい視点で見ることで、くよくよするなという気持ちが湧いてくるかもしれません。
しかし、それは不安の原因をくらませることにもなります。
今、世界で戦争が起こっています。
生活がおびやかされて多くの人の命が失われています。
不安な気持ちになりますが、では、広い宇宙から見ればちっぽけな出来事だと思えますか。
とてもそうは思えません。
それは結局、一人一人のいのちが尊く、一人一人の気持ちが大切なものであるからでしょう。
一期一会という言葉があります。
その時出会った人やものに一度限りだと思って全力で相対することです。
私はここに、不安に対する心構えが説かれていると思います。
不安には思い切ってぶつかっていくのです。
わからない状態が不安なのです。
思い切ってぶつかればわかることができます。
自分が出会ったことには眼をそらさずにしっかりと向き合う。
これを意識するだけでも変わるのではないでしょうか。 合掌
慈恵院僧侶 友部
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