チュンチュンと
秋も深まり皆様はいかがお過ごしでしょうか。
スポーツの秋でしょうか、芸術の秋でしょうか、はたまた食欲の秋でしょうか?
先日、雀を見なくなったという話を耳にしました。
言われてみると確かに減っている気がします。
烏が多い気もしますが、これもいつ減少するかわかりません。お釈迦様の教え通り諸行は無常です。
そんなある日、雀が入れ替わり立ち替わりお米を啄ばんでいる光景を目にしました。
チュンチュン、チュンチュンと楽しそうに嘴を動かしてます。
職員専用通路の出来事なので一般の方は見られないのですが、壁一枚隔てて道路なので電柱から降りてくる姿は見えるかもしれません。
何が起こっているのでしょう?
説明の為に話が変わります。
慈恵院では朝の勤行の後に僧侶が揃ってお粥を頂く「粥座」という修行があります。
毎週日曜日の坐禅会で坐られた方々にも参加してもらっています。
その中で一人ひとりが配られたお粥から数粒を別の皿に分けていきます。
これは己の源となる食べ物を他の命へ分け与える為で「生飯(さば)」といいます。
そして粥座が終わった後に禅堂の入口にある台座にお供えします。
雀はこれを食べに来ていたのですね。
足を止めて見ていると十羽くらいの雀たちが忙しく動いて、あっという間に生飯はなくなってしまいました。
供え物は毎日昼前には無くなっています。食べてるのは間違いありません。
慈恵院の片隅、そこは雀たちの憩いの場なのかもしれませんね。
追伸 雀さんへ
花場の若猫、松が最近狩りを覚えました。あっちには行かないでください!
宗務部 勇堂
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