最後の贈り物
生きている人やその周囲にとっては、「誕生日」ってとても大切なものだと思いませんか?
一般的な印象では、子供にとって一年で一番大切な日だと思います。
年を重ねれば親に感謝する日になりますし、還暦では子供や孫に祝われる日になるでしょう。
ですが、歴史上の人物で誕生日を知ってる人いますか?
自分は花まつりとクリスマスと昭和の日と文化の日だけでした。
逆に命日はいくらでも思い出せると思いませんか?
記念日になってる例だと太宰治や芥川龍之介。昭和のスターの命日だと今でもファンが集まっている気がします。
歴史上の出来事と繋がってるということで、織田信長の命日をご存じの方も多いでしょう。
さて、”お釈迦様の命日”を皆さんはご存じでしょうか?
2月15日がその日で、多くの寺院では「涅槃会(ねはんえ)」という法要が行われます。
ここからは僧侶としての連絡です。
慈恵院での「涅槃会」は曜日の関係から、2月14日(日)の予定です。
●慈恵院 法要行事・月例法要
https://www.jikeiin.jp/calender/
例年であれば朝八時前から雲水が集まり、皆様が参加出来る様に本堂を開放して行われるのですが、緊急事態宣言下の現状を考えまして、関係者のみで執り行います。
お釈迦様の最後に関しては説明も考えたのですが、手塚治虫の名著「ブッダ」を読んでほしいです。
ふざけてるわけじゃないですよ。中学生の時に読んで感動でも悲しみでもなく泣いた経験から薦めているのです。
ちなみに言いにくいことですが、自分はここに来るまで、涅槃会 = お釈迦様の命日を知りませんでした。
誕生日である花まつり(4月8日)は、近所のお寺で開催を見かけたりと知ってたのですが。
ここ慈恵院には、命日に供養をお願いに来る方がたくさんいます。
一周忌・三回忌の後も、祥月命日に追善の供養を頼まれます。
亡くなった日を迎え、悲しみと共に在りし日の思い出を感謝してるのでしょう。
そうなると命日は、先に逝った子達が私達に残してくれた最後の記念日ではないでしょうか?
これから先、年を経る毎に感謝の気持ちは強くなっていくと思います。
きっと命日は愛する子から、残された人々への最後の贈り物ですね。
宗務部 勇堂
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