酸漿招福(ホオズキしょうふく)
先日、食用の鬼灯(ホオズキ)をいただく機会に恵まれました。
爽やかな酸味と独特な甘さの鬼灯。
トマトと同じナス科ということもあり、ミニトマトがさらにフルーツに近くなったような爽やかな味わいが、夏の暑さに疲れ切った体を癒してくれます。
私の故郷・中国では、食用鬼灯は一般的で、子どもの頃はよく食べていたのを思い出します。
また、日本でも酸漿(ホオズキ)とも書いたりしますが、古郷では「酸漿招福」という言葉があり、幸福や福を呼び込む象徴的な植物として扱われています。
酸漿の赤い実は、幸福や繁栄を象徴する赤色と関連付けられているからです。
お盆時期には、お飾り用のお花として鬼灯を見かけることもよくあります。
提灯のような形と色合いから、先祖やなくなった家族の霊が帰ってくる際の我が家の目印として、仏壇や盆棚に飾られたりします。
しかし慌ただしい日々の中、ともすると仏壇に供える花選びに心を留めることもできないかもしれません。
そういう時こそ大きく息を吐いて、心を整え、季節の花にも目を向けてみてはどうでしょうか。
“息は自らの心”とあるように、自分自身の状態を表しています。
深く静かで均等な呼吸をすることが、心の浄化につながっていきます。
ぜひ日頃より実践してみてください。
なお、一般的に栽培されているホオズキには毒性がありますので、誤って食べないようにご注意ください。
慈恵院僧侶・王
一覧へ戻る