生命の尊厳
能登半島地震で被災された皆様には、心からお見舞い申し上げます。
年始から大地震、戦争、事故により人の命があっという間に失われて、改めて命について考えさせられます。
最近は安易に命を考える時代になってしまったと思います。
親子で殺し合い、若い子は自ら薬を過剰に摂取して簡単に生命を絶ってしまう。
車の譲り合いのトラブルで路上で殴り殺されてしまう。
何より尊い筈の人ひとりの命がかくも簡単に処理されてしまうこの世相の恐ろしさ。
これも、血が通い心が宿るこの身体を物とみるか、万能を誇る人智を以ってしても作り得ぬ生命体と観るかの相違ではなかろうか。
一個の生命体は今ここに忽然と現れたのではなく、それこそ生物の発生当初より一代一代と先祖より受け継がれたものであることを思えば、一人の生命は限りなく尊く大切なものと観ずべきであろう。
森羅万象総て仏性あり、まして人の命をや。
仏性を離れてしまい仏性を軽視してしまう現代の日本人は、いったい何を求め、どこへ流れて行くのであろうか…。
今こそ、地球上が一つになり、地球や命の尊さを考えなおさなければいけない時代になったのでは…
二月十五日涅槃会は、お釈迦様のご命日です。
当山では「涅槃図」を本堂に掛け、二月十一日(日)に丁重にお勤めを致します。
慈恵院僧侶・風来坊3世
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